第10回「德川賞」
第10回の「德川賞」は下記の著作を受賞作とすることに決定し、平成24年11月3日(祝)東海大学校友会館にて授与式を行いました。
1.受賞著作
『近世琉球国の構造』
著者: 梅木哲人
発行: 第一書房発行
2.選考過程
平成24年7月に第1回選考委員会を開催し、対象期間である平成23年に刊行された日本近世に関する著書より21点を選定し、その内7点に対象を絞り込んだ。これらを審査員5名が分担・精読し、9月18日の第2回選考委員会において慎重な審議を経て、以下の3点を優れた作品として認めた。
これらにつき、さらに議論を進めたが、いずれも甲乙付け難い労作であることは認められるが、そのなかで德川賞を授与するには、主題につきライフ・ワークとでも言うべき梅木哲人氏の著作が史料の渉猟、内容構成、目的達成度等から見て、最も優れた学術研究書であるとの結論に達し、本年の德川賞受賞作とした。
『江戸幕府上方支配機構の研究』
著者:小倉 宗
発行:塙書房
『近世身分社会の仲間構造』
著者:藤本清二郎
発行:部落問題研究所
『近世琉球国の構造』
著者: 梅木 哲人
発行:第一書房発行
第10回「德川賞」 選考要領
1.選考対象
- 平成23年1月1日より同年12月31日までに日本語にて刊行された、日本近世に関するすぐれた研究著書
- 日本近世の範囲は德川時代を中心に、織・豊時代および明治初期を含むものとする
- 日本近世における政治・経済・行政・外交・生活・文化・思想・芸術・宗教・教育・建築・医学・言語等全分野および周辺分野、またはこれ等多くの分野を横断した総合的な領域についての実証的かつ顕著な研究成果の著書
- 編纂書・注釈書・辞書・調査報告書等は含まない
2.選考委員(敬称略)
委員長 速水 融
文化功労者・日本学士院会員・慶應義塾大学名誉教授
小林 忠
学習院大学文学部教授・千葉市美術館館長
高埜利彦
学習院大学文学部教授・学習院大学図書館長
竹内 誠
江戸東京博物館館長・東京学芸大学名誉教授
松尾正人
中央大学文学部教授
3.表彰
賞状ならびに副賞100万円