理事長ご挨拶

公益財団法人 德川記念財団

理事長 德川 家広

德川記念財団は、徳川宗家に伝来してきた歴史的文化財の保存、研究、公開と、徳川将軍家が統治をした江戸時代の日本の歴史研究の支援とを目的に、2003年に設立されました。
 当財団は設立以来の20有余年というもの、日本近世史の卓越した業績に向けた「德川賞」と、日本近世史について優れた成果が見込まれる博士論文の完成に向けた奨学金である「德川奨励賞」とを授与し続けてまいりました。また、それとは別に、財団の理事長と学芸員による講演・啓蒙活動も積み重ねてまいりました。
 そして2021年に私が理事長に就任してより、展示活動をいっさい休止したうえで、財団所蔵の文化財・歴史資料の全貌をあらためて把握すべく悉皆調査を行い、その結果として信頼度の高いデータベースが構築されるとともに、新発見もなされ、さらに修復の緊急性の高い品々の特定も完成いたしました。調査完了とともに、従来以上に充実した内容の展示活動を行う基礎が固まったと自負しております。
 近年、昭和の大戦の後の知的混乱がようやく終焉に向かうとともに、江戸時代は現代日本の原型が形作られた時代として、その高度に発達した文明が内外からあらためて高く評価されるにいたりました。特に海外においては、江戸時代の日本 — Tokugawa Japanは、 大国が二世紀半を超える長期にわたって内外の平和を実現しえたという点で、現代の世界が抱えるさまざまな課題を解決するうえでの貴重なヒントが隠されているとして、注目を集めております。
 当財団はこのような内外の潮流を追い風に、研究助成、啓蒙、顕彰の各方面においていっそうの努力を重ねるとともに、情報技術のめざましい進歩に即した新しい発信作業にも注力していきたいと考えております。皆様の篤いご支援を賜ることができれば、これ以上の幸いはございません。

掲載・放送の申請

德川記念財団の所蔵資料および写真の
使用には、事前の申請と許可が必要です。
お申し込みは、下記リンクより
お願い致します。

賛助会員募集

当財団の趣旨にご賛同いただける皆様には、
ぜひ賛助会員としてご加入いただき、
財団の運営にご協力賜りますよう
お願い申し上げます。

error: Content is protected !!