展覧会・出品協力

企画展「春を寿ぐ―徳川将軍家のみやび―」

■展示構成
   プロローグ
   第1章 睦月 将軍家の正月
   第2章 如月 花ひらく春
   第3章 弥生 典雅な雛道具
   エピローグ

公益財団法人德川記念財団と東京都江戸東京博物館とは毎年共催企画展を開催していますが、今回は春をテーマに据え、徳川将軍家にとっての春と、江戸城大奥における雅(みやび)を紹介いたします。
花見や雛祭りといった春の行事は、もともと公家社会の習慣でしたが、江戸時代に徳川将軍家と京都の宮家・摂関家との婚礼を通じて宮廷文化が江戸城大奥にもたらされたことで、春を寿ぐ行事は武家社会にも浸透していき、さらに江戸市中の人々にも広まることになりました。本企画展では、徳川将軍家における春の行事を、月ごとに紹介いたします。

企画展「春を寿ぐ―徳川将軍家のみやび―」開催にあたって

近年、伝統的な日本の文化を目にすることができる地域や施設などには、多くの外国人観光客が足を運んでいます。これは非常に喜ばしいことです。海外の人々から注目されている伝統的な日本の文化が形成・発展したのは、江戸時代でした。それは、人々がいきいきとする平和な時代が約二六〇年間も続いたからだと思います。
伝統文化とされている日本の年中行事や慣習の一般化が進んだのも、やはり江戸時代のことです。たとえば桃の節句、いわゆる雛祭りは、もともと公家や武家の春の行事でしたが、江戸中後期に江戸市中へ広がりました。また、花見を通して庶民が花を愛でることもこの時期に慣習化しています。こうした春の年中行事や慣習を、徳川将軍家も大切にし、また楽しんできました。
本展では、徳川将軍家の春の年中行事や季節感、美意識をうかがい知ることができる絵画などの作品や、天璋院篤姫・皇女和宮が所持した雛道具、江戸中後期の精緻な銀細工などを展示いたします。なかでも、贈答儀礼などに用いられた初公開の掛袱紗は、刺繍が見事で非常に美しいです。また、銀細工などの精緻な細工物は、江戸時代の職人の技術力の高さをご覧いただくことができるかと思います。
今回の展示を通して、徳川将軍家のみやびを味わっていただけたら幸いです。

    平成三十一年一月

  公益財団法人 德川記念財団 理事長
            德川宗家18代当主    德川 恒孝

*本展の図録はこちらからお買い求めいただけます。

会 期 平成31年1月2日(水)~3月3日(日)
会 場 江戸東京博物館 常設展示室内 5階 企画展示室
開館時間 午前9時30分~午後5時30分
(土曜日は午後7時半まで/入館は閉館の30分前まで)
休館日 1月7日(月)・28日(月)、2月4日(月)・12日(火)・18日(月)・25日(月)
※2月4日に展示替え予定
常設展観覧料 一般 600円(480円) 大学・専門学校生 480円(380円) 中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円(240円) 小学生・中学生(都内) 無料
※( )内は20人以上の団体料金。いずれも消費税込み。
※次の場合は常設展観覧料が無料です。身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
※毎月第3水曜日(シルバーデー)は、65歳以上の方は常設展観覧料が無料です。年齢を証明できるものをお持ち下さい。※毎月第3土曜日と続く日曜日(家族ふれあいの日)に観覧の、18歳未満の子を同伴する都内在住の方2名まで、常設展観覧料が半額になります。
(特別展は対象にならない場合がありますので、あらかじめご確認ください)※特別展の会期中はお得な特別展・常設展共通観覧券もございます。
主催 東京都、東京都江戸東京博物館、公益財団法人德川記念財団
問い合わせ 電話 03-3626-9974(代)