財団について ご挨拶

財団について

ご挨拶

 当財団は江戸開府400年に当たる2003年に德川宗家(将軍家・公爵家)に伝来した歴史資料を一括して永久保存し、江戸時代に築かれた日本文化への理解を深めることを主たる目的として発足し、2011年4月1日付で公益財団法人としての認定を受け、本年(2019年)4月に設立16周年を迎えました。

 振り返って見ますと右も左もわからぬ小さな財団が、今日まで様々な事業を継続し、それなりに発展してくることができましたのも、ひとえに多くの方々の温かいご支援の賜物であり、心から御礼申し上げます。

 久能山東照宮博物館、日光山輪王寺宝物殿に於いて財団所有の美術品、歴史資料などの常設展示を行うと共に、全国で多数の主催・共催、または特別協力の展覧会を開催し、更に日本各地で開催された数多の展覧会に出品協力を行いました。長い間倉庫に眠っていた多くの品々が修復され、その由来が研究されて夫々の展覧会会場を飾るようになったことは、関係学芸員諸氏の大変な努力によるもので、心から感謝の意を表します。

 また設立の年から始めました德川賞の選考にあたって10年以上の長きに亘り選考の任に当たって下さった速水融先生、竹内誠先生(元選考委員長)はじめ諸先生方の徒ならぬ御尽力にも心から感謝申し上げます。毎年の審査で先生方の示された真剣で厳しい審査の過程を拝見することは、私にとって学問の厳しさを肌で感じる、本当に心に沁みるものでした。また、同時に行われる德川奨励賞の審査も劣らずに厳しいものでしたが、15年間で奨励賞を受賞された学生諸君71名の内、すでに55名の方々が博士号を取得されたのは本当に嬉しいことです。

 もう一つ、当財団が春秋二期にわけて行っている古文書講座には東京大学史料編纂所の諸先生方に講師を務めて頂き、未発表の德川宗家文書を読解して頂いております。この成果も何時か纏めて発表できる日が来ることを楽しみにしたいと思います。

 16年という時の長さを子供の成長に例えますとはや高校生で、私の記憶では、青春の中で最も充実した時期でした。德川記念財団がこの青春ともいうべき時代に入る年齢の16歳になるに当たり、最初の15年間の成長を支えて下さった多くの方々に心からの感謝を申し上げますと共に、今後、更に当財団が成長して、日本文化の大きな原点である江戸時代の研究とその結果の発表を行って行くうちに20歳、30歳となり、日本史、日本文化の理解にお役に立てるようになることを祈念しています。