第6回「徳川記念財団コンクール」家康賞武田

表彰活動

コンクール in 静岡 第6回「徳川記念財団コンクール」

家康賞(優秀賞)

「家康のおかげ」

静岡大学教育学部附属静岡小学校4年  武田 桃子

 今、私がこのお家に住んでいられるのは、家康のおかげです。静岡市葵区鷹匠にある私のお家がある場所はかつて安倍川が流れていたそうです。夏休みに寺子屋駿府城「楽しく学ぶ歴史」にお友達と参加した時、資料館で古い地図の安倍川の流れを見ていたら、とてもびっくりした事に、私の家がある所が川の中でした。家康が住んでいた駿府城も歩いてすぐの場所ですが、家康がいてくれなかったら私の家はなかったかもしれません。

 調べてみたところ、当時の安倍川は好き勝手な場所を流れ、しかも今の静岡市の中心部をどうどうと流れていたということです。この大きな川の流れを家康は変えてくれました。私だったら、安倍川の流れを変えるなんて思いもしません。家康は、ていぼうを作って流れを変え、町の人々をしん水のひがいから守ってくれました。それは、しん水ひがいから守ってくれただけでなく、農業のしやすい町にもしてくれたのです。そんな発想のできる家康は、やっぱりただ者ではないし、とってもかっこいいです。そして、りょう民想いの家康は、いつでも周りの人びとから愛され、りょう民も団結していたので、江戸東京もさかえたし、ここ静岡の中心部もさかえ発てんしたのだと思います。こういうすごいことをした家康へのあこがれが止まりません。

 新型コロナウィルスで学校が休校になり、家族でよく駿府城へ散歩へ出かけました。小さなカエルを見つけて、家で大切に育てていましたがその子の名前も家康にしました。学校がお休みで、家にこもっていた毎日でしたが、駿府城にはいつもと同じ空気が流れていて、なんだかほっとできました。だから、休校中は大変だったけれど、私はますます駿府城が好きになりました。この時に考えていたことは、家康だったらえき病がはやった時にどういう風に対処したかということです。そんな時、お父さんから家康は江戸で下水を作ってえき病を予防する工夫をしていたと聞きました。その時代、下水のある都市などなかったそうです。家康が今も生きていたら、現代の私たちがまったく考えないようなすごいアイデアで、新型コロナウィルスがはやっていてもくらしやすい世の中を作っていたかもしれないと感じます。

 家康が歩いたかもしれないこの道、家康が鷹がりをしたかもしれないこの街に住めて、家康を感じられて、私はとても幸せです。駿府城を歩くたびに、家康が歩いたのかな?と思い、私もこれから頑張るぞ‼と言う気になります。この日本の原型は、家康が作ったと言われています。家康が愛してくれた静岡はとても平和です。こんな静岡がいつまでも続きますように―。

                                         (了)