第8回「徳川記念財団コンクール」德川賞山里

表彰活動

コンクール in 静岡 第8回「徳川記念財団コンクール」

德川賞(最優秀賞)

「徳川家康公からの最高の贈り物」

浜松市立和地小学校6年  山里 尚音

「人類はまだ世界平和という目標を一度も達成していない」。この言葉がテレビから聞こえた時、私は思いました。「なら家康公に教えてもらおう。平和のヒントは家康公にあり!」

家康公は265年間続いた江戸の平和の基礎を築いた人です。世界の歴史を振り返っても、こんなに長く平和が続いた時代はありません。家康公はどのように平和の仕組み作りをしたのでしょう。私は、家康公が生涯大切にした二つのことに注目し、子供もできる平和実現の方法を考えてみました。

一つ目は勉強です。家康公は幼い頃から大変な苦労をしますが、辛い状況の中でも負けることなく「人としての勉強」をしました。「学問としての勉強」にもとても熱心で、人質時代に雪斎和尚(せっさいおしょう)から「普通の人として、またリーダーとしてどう生きるべきか」を学びました。その後も「吾妻鏡(あづまかがみ)」で良い行いは見習い、悪い行いは反省して次に生かすことを、「貞観政要(じょうがんせいよう)」から政治の心得を学びました。いつも熱心に本を読み、学んだことを生活や政治に役立てることを考えて行動しました。

二つ目は礼儀です。家康公は学問以上に礼儀を大切にしました。私は、礼儀とは相手の立場になって考えること、そして相手の良いところを見つけて尊重することだと考えます。

家康公が残した「人を使うにも、その長所をとって悪(あ)しきところは捨て置くべき」という言葉にも家康公の心がけがよく表れていると思います。

勉強で得られることの一つは想像力です。戦争で爆弾が落ちてくるところを想像できれば、誰かに爆弾を落とそうなんて絶対考えないはずです。また勉強は視野を広くし、人は誰一人同じではないことに気づかせてくれます。お互いに違いを認めて相手を尊重できれば、けんかや争いなど起こるはずはないのです。

結局、家康公から学んだ「平和のヒント」は特別なことではなく、お父さん、お母さん、先生がいつも私に教えてくれていることでした。日本人の心には江戸時代からずっと受け継がれている「平和の種」が埋まっているのです。これこそ家康公が私達に残してくれた大きな文化と財産だと思います。平和の種に花を咲かせられるかは私達の心がけ次第です。家康公からの最高の贈り物で世界中に沢山の花を咲かせられるよう、毎日小さな平和の積み重ねをしていこうと思います!