第8回「徳川記念財団コンクール」家康賞松井

表彰活動

コンクール in 静岡 第8回「徳川記念財団コンクール」

家康賞(優秀賞)

「サステナブルな社会」

静岡市立蒲原中3年  松井 那緒

サステナブルとは「地球環境の持続可能な発展」を意味します。地球環境を壊さず、資源も使いすぎず、未来の世代も美しい地球で平和に豊かにずっと生活し続けていける社会のことです。これは、今社会で求められているものだと思います。よく、テレビでSDG’sなどの環境問題を目にします。どうしたらSDG’sを達成できるのかと考えている時、ふと徳川家康公作文コンクールを思い出しました。家康が切り開いた江戸の時代が非常に長く続いたと知っていたので、SDG’sのヒントが隠れているのではと調べてみました。

まず、江戸時代は265年間続きました。しかし、家康はそれ以上に長く続くと思っていたのではという意見がありました。長く続くことを見越して都市計画をしていたのだろうという考えです。家康が50代前後の頃。江戸の町が水浸しにならないよう川を曲げることを決めます。川を曲げるには相当な技術と時間が必要です。そのため、相当長い目でまちづくりをしたと考えられるのです。

さらに、家康は飲料水を確保するため、河川をせき止め貯水池を造ることを命じます。都市の繁栄には、人が集まることが必要です。都市のことを知らない人でも、そこに行けばそのまま住めるシステムが必要です。水道はまさにそうで、お金さえ払えばきれいな水が飲めるというシステムがあれば人が集まるだろうと計算されていたのです。また、諸大名に土木工事をさせることで、江戸の開発は活発になり、大名にお金を使わせることで戦いができないよう仕向けていたという考えもありました。さらに、こんな話もあります。江戸の町には各藩の藩邸があちこちにあり、お正月には門松の大きさを競ったそうです。それを楽しみに見て回る人も少なくなかったそうです。家康は戦いで自分の領地を広げようという考えから、社会発展を目指し、人々に便利な場を提供しようという思考へ切り替えたのです。

調べて気づいたのは、家康は政策の一つ一つを長い目で見ていることです。何か新しいことを始める時、見通しを持つことがSDG’sやサステナブルへのヒントになると思います。家康が長い目で政策を行ったことで、江戸時代は256年間も続きました。これは、今起きている問題にも置き換えられると思います。例えば、プラゴミ問題です。初めは「便利だから」とプラスチックが普及したのだと思います。しかし、こうなってしまうことを予測し、長い目で計画を進めていれば未来は変わっていたかもしれません。このように長い目で物事を捉え、先を見通して行動する大切さを学びました。

さらに、家康は倹約家として知られ、着物がボロボロになるまで着ていたと言うエピソードを沢山みつけました。私は、将軍に対して、贅沢好きでわがままというイメージがありました。なので、このエピソードを知った時、とても驚きました。エコ的な意識、贅沢を求めない性格がこんなにも江戸を発展させ、長続きさせた要因なのかな、と思いました。

サステナブルな社会を作るためには、先を見据えて行動することが大切だと思います。個人個人が意識して環境を見つめていくことが、SDG’sの実現につながると考えました。今回徳川家康のまちづくりから学んだことを、これからの生活に活かしていきたいです。そしてサステナブル実現に一歩踏み出せたらいいなと思います。