第8回「徳川記念財団コンクール」家康賞伏見

表彰活動

コンクール in 静岡 第8回「徳川記念財団コンクール」

家康賞(優秀賞)

「家康公の政治力」

静岡市立蒲原中学校3年  伏見 波琉

2022年。世界中で新型コロナウィルスのパンデミックの嵐が吹き荒れ、ロシアがウクライナを侵攻するなど、世界中が混乱に陥る世の中。私たちは様々な制限がある中で生活してきた。

ある日、私は本屋で戦国武将が現代政治を行ったらどうなるのか、ということについて書かれている本に出合った。

その本を見て、私は頭の中に疑問を浮かべた。

「家康公なら、この混乱をどう乗り越えたのだろうか」。かつて天下を取り、幕府を開いて260年にわたり平和な世の中を築き上げた家康公の政治力に着目して考えていきたい。

まず、私は長く続いていた戦乱の世を鎮め、平和な世の中をつくり上げた「平和に対する想い」に強く感動した。今はロシアがウクライナに侵攻していて、日本にとっても他人事ではない状況になってきている。私は家康公であれば、武力で他国を服従させるというような行為は絶対にしなかったと考える。

天下統一を果たしてから、他の武将ならば侵攻を始めるなど権威を高めるために戦を始めるとことが充分に考えられる。しかし、暴力的な行為とは逆に、平和な世の中をつくろうと尽力した家康公であれば、国民を守ること、世界平和を守ることを第一に優先し、自国と国民のために政権を運営していくと考えた。

次に、家康公が持っていた豊富な知識について調べたところ、家康公は医者並みの知識を持っていたということを知った。政治をする立場の人に、医学の知識があることはどれほど理想的だろうか。今、新型コロナウィルス感染症が流行するなか、政治的な見解と医学的な見解を上手く組み合わせた政治を行っていくことこそが、経済を回しつつ感染を抑止することにつながっていくと私なりに考えた。

私は、家康公の「政治力」に着目して現代社会と比較して考えていく中で、家康公の偉大さを実感した反面、現代社会で起こっている武力攻撃や紛争の悲惨さにも気付かされた。家康公の性格が表されているとされる「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」という言葉があるが、その言葉からは、武力を用いて強要するというような想いは一切感じられない。この現代社会においても気長に待つような精神がとても大切なのかもしれないと感じた。

家康公は戦乱の世を勝ち抜き、天下を取った後も、その権威を乱用するようなことはせず、平和な世の中を築き上げていった本当に強い将軍様だと思う。どんなに武力で成り上がったとしても、トップに立つからには人や国を動かさなければならない。トップに立った人が、武力で人々を服従させることなどあってはならないと思う。人々の気持ちや状況を第一に考えられるリーダーこそが、国や多くの人々の前に立つ人間としてふさわしいのだ。

私も生徒会副会長という立場で全校のリーダーというポストだ。私は、家康公のように生徒の事を第一に考え、行動できるリーダーになりたいと強く思う。