日光山輪王寺宝物殿　常設展示

「�ｺ川宗家伝来の遺宝〜夏の風情〜」

　四季のある日本では、古来よりそれぞれの季節に応じた文化が生まれ、脈々と育まれてきました。とくに江戸時代には数多くの年中行事があらわれ、人々は季節の移ろいを満喫しました。
　現在おこなわれている夏の催しにおいても、江戸時代に発生した行事が残っています。たとえば夏の風物詩である大型花火は、江戸時代において当初厄除け、あるいは慰霊のために打ち上げられていました。やがて派手な爆音と光芒が鑑賞用として楽しまれるようになり、何十種類もの打ち上げ花火が製造され、全国に普及したとされます。今では夏祭りの際によく見られる「金魚すくい」も、金魚の飼育が盛んとなった江戸時代後期に登場します。
　また、江戸時代を生きた人々は四季折々の情緒を絵画や短歌などの作品であらわし、文具や枕、衝立など身近な調度品の中にも、季節の趣を描き出しました。
　本展示では�ｺ川宗家伝来の遺宝の中で、江戸時代の夏の風情が感じられる品々を中心にお目にかけます。

会　期	2016年6月18日（土）〜2016年8月16日（火）
展示資料	・天璋院筆　竹図 　　・薩摩　苗代川焼　錦手人形（唐子遊４体・七福神6体）　天璋院所用 　　・波に兎文鎮　徳川家茂所用 　　・ギヤマン七夕文具　徳川家茂所用 　　・獏南天蒔絵筥枕　徳川家茂所用 　　・和歌短冊「水辺納涼」 　　・和歌短冊「池上夏月」 　　・和歌短冊「夏瀧」 　　・和歌短冊「夏草露」