第28回　「柳営茶会」開催のお知らせ

拝　啓

　平成の御世も四半世紀を過ぎ、今年は平成二十六年を迎えました。昨年の一文字漢字は「輪」、二○二○年オリンピック東京招致の成功が大きな理由と聞いておりますが、あれ以来、全てが二○二○年を見据えて動き始めたように感じています。

　五十年前の東京オリンピック当時六・ニ％だった高齢化率が、二○二○年には三○％に近づくと言われています。当時、高度成長時代の形成に向けて大きな起爆剤になった様に、今度は高度成熟社会への大きな転換期となって欲しいと願っております。

　ご尊家におかれましては如何お過ごしでございましょうか、お伺い申し上げます。

　さて柳営会では毎年、徳川幕府時代に培われた伝統をいまに伝える武家茶道　四流派の宗家・家元のご協力を得て「柳営茶会」を催しておりますが、今年も別紙の通り催すことに相成りました。

　「柳営茶会」は回を重ねて今回で二十八回になりますが、毎回有意義かつ盛大に継続出来ますこと、これも偏に皆様方のご支援に依るものと心から感謝申し上げております。

　例年徳川御宗家恒孝様より、重代家宝の御軸を拝借しておりますが、この度は、五代将軍徳川綱吉(つなよし)公の御筆に成る「馬図」をお貸し下さることになりました。

　本年は、十二支の甲午（きのえうま）年に当りますこと、また毎年、会場としております護国寺が綱吉公の御生母・桂昌院の発願により天和元年〈一六八一〉孝心篤き綱吉公が創建された名刹であることから、時宜を得た御軸かと存じます。

　また、護国寺は、真言宗豊山派の大本山でもあり、戦後六十九年を経た昨今でも静寂に包まれた茶席で、四宗家・家元各家秘蔵の名器とともに往時を偲び、武家茶道の心に触れて頂ければと存じ、御案内申し上げる次第で御座います。

　なお茶券は数に限りがございますので、ご希望に添えぬ場合があるかも知れませぬが、その折は何卒ご了承下さいますよう。また不行き届きの点もあろうかと存じますがこの点も何とぞご寛恕賜りたく併せてお願い申し上げます。

敬具

　　　　平成二十六年三月吉日