第27回　「柳営茶会」開催のお知らせ

拝　啓

  昨年は師走選挙を経、ぎりぎりのタイミングで安倍新内閣が発足いたしました。｢金融緩和｣｢財政出動｣「成長戦略」の三本の矢政策を掲げ、デフレ脱却と日本経済の回復に向けて懸命の努力を傾注しております。国民の大方からも好感を以って迎えられ、一定の成果を挙げつつあるように思われます。今年こそは、長い低迷から立ち上がり、明るい良い年であって欲しいと願っております。

　ご尊家様におかれましては如何お過ごしでございましょうか、お伺い申し上げます。

　さて柳営会では毎年、徳川将軍家に関する伝統をいまに伝える武家茶道　四流派の宗家・家元のご協力を得て「柳営茶会」を催しておりますが、今年も別紙の通り催すことに相成りました。

　「柳営茶会」は回を重ねて今回で27回になりますが、毎回有意義かつ盛大に継続出来ますこと、これも偏に皆様方のご支援に依るものと深く感謝申し上げております。

　例年徳川御宗家恒孝様より、重代家宝の御軸を拝借しておりますが、この度は、徳川宗家十六代家達(いえさと)公の生誕百五十年を記念する年にあたり、家達公の御筆に成る一行書『佳気満高堂』をお貸し下さることになりました。「佳気高堂に満つ（めでたい気が立派な建物に満ちている）」、佳気は瑞気ともいい、吉祥の気のこと、めでたい風景を指し、茶席の禅語としても好んで用いられております。

　会場となります護国寺は五代将軍徳川綱吉公が御生母桂昌院の発願により天和元年（1681）創建された名刹で、真言宗豊山派の大本山であります。戦後67年の昨今でも静寂に包まれた茶席で、四宗家・家元各家秘蔵の名器とともに往時を偲び、武家茶道の心に触れて頂ければと存じ、御案内申し上げる次第で御座います。なお茶券は数に限りがございますので、ご希望に添えぬ場合があるかも知れませぬが、その折は何卒ご了承下さいますよう。また不行き届きの点もあろうかと存じますがこの点も何とぞご寛恕賜りたく併せてお願い申し上げます。

敬具

　　　　平成二十五年三月吉日