日光山輪王寺宝物殿　展示

2013年4月12日（金）〜６月12日（水)
初代家康、二代秀忠の画像と書画

　徳川家康は、天文11年（1542）に三河国の土豪である松平広忠の嫡男として生まれました。幼少期は、人質として今川家で忍従の日々を過ごしましたが、永禄3年（1560）の桶狭間の戦いで今川義元が織田信長によって討たれたことで、今川家と決別し、信長の盟友として、三河国・遠江国で勢力を伸張しました。信長死後は、豊臣秀吉の配下に入り、豊臣政権下で五大老の筆頭となり、一大勢力を築きました。

　慶長5年（1600）、関ヶ原の戦いにおいて勝利をおさめ、慶長8年（1603）には朝廷から征夷大将軍に任命され、江戸に幕府を開きました。慶長10年（1605）、わずか2年で息子の秀忠に将軍職を譲りましたが、家康は大御所として駿府で政治を行いました。

　家康は大坂の陣で豊臣家を滅亡させた後、元和2年（1616）4月17日に駿府城において75年の生涯を閉じました。遺体はいったん駿河国久能山に埋葬、翌年には後水尾(ごみずのお)天皇から「東照大権現」の神号が勅許され、日光山へ改葬されました。

　徳川秀忠は、家康の三男として生まれましたが、長男信康は自害、二男秀康は結城氏を継いだため、世嗣(せいし)の地位につきました。家康死後、秀忠は初めて大名に対して領知宛行(あてがい)状を発給するなど、独自の政治を行いました。一門・譜代を含む39大名の改易に象徴される大名統制や五女和子(まさこ)の後水尾天皇への入内など将軍権力の基盤強化を果し、寛永9年（1632）にその生涯を閉じました。

　また家康・秀忠ともに為政者としてだけではなく文人としても優れており、茶の湯、学問や和歌などを好みました。

　このたびの展示では、家康と秀忠の画像とともに直筆の書画をご紹介いたします。この展示を通じて、家康と秀忠の文人としての教養やひととなりを感じていただければ幸いです。

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