久能山東照宮博物館　展示

2009年9月1日（火）〜10月30日（金）
「徳川家康の書」

　徳川家康（1543〜1616）は、江戸幕府の初代将軍として日本の歴史上最も有名な人物の一人として知られておりますが、その生涯は決して平坦なものではありませんでした。幼いころは今川義元の人質として暮らし、大名として自立した後も戦国乱世の激動に巻きこまれ、実際に何度も置かれた立場が変わり、その都度考え方も変わっていったと思われます。

　“書は人なり”“書は体をあらわす”という言葉をよく耳にします。文献史学のなかではもっぱら文体や文意に注目されがちですが、その人の性格や人となりを知るためには“筆跡”に注目することが必要とされます。家康の“書風”を知ることが、その人間像や思想の移り変わりを知る重要な手がかりになるのではないでしょうか。

　今回の展示品は、いずれも家康直筆といわれる資料です。これらの“書”を通じて「天下人・徳川家康」の心情や人となりに思いを馳せていただければ幸いです。

　　平成21年9月1日